フォントサイズ変換

腰痛・膝痛・肩の痛みで整形外科を受診する目安

この記事は 和田充弘 医師 により監修されています。

腰痛・膝痛・肩の痛みで整形外科を受診する目安

はじめに

腰痛・膝痛・肩の痛みは、多くの方が一度は経験する、とても身近な症状です。
その一方で、「このくらいで受診してよいのだろうか」と迷ってしまい、我慢しながら過ごしている方も少なくありません。

こうした痛みは、早い段階で状態を確認できれば、生活の工夫やリハビリテーション、お薬など、いくつかの方法を組み合わせながら対応できることが多くあります。
しかし、無理を重ねて悪化してしまうと、関節や骨への負担が積み重なり、変形が進んでしまったり、動かしにくさが強くなったりして、改善に時間がかかることもあります。

だからこそ大切なのは、「痛いからすぐ受診する」「我慢できるから受診しない」と単純に考えるのではなく、受診した方がよいタイミングを見極めることだと思います。

ただ、実際には情報が多く、何を基準に判断すればよいのか分かりにくいこともあるはずです。
そこで今回は、腰痛・膝痛・肩の痛みで整形外科を受診する目安について、できるだけ分かりやすく整理してお伝えします。
受診を迷ったときの参考になれば幸いです。

腰痛・膝痛・肩の痛みは、よくある症状だからこそ迷いやすいものです

腰や膝、肩の痛みは、年齢に関係なく多くの方にみられる症状です。
朝起きたときに腰が重い、階段で膝が痛む、腕を上げると肩がつらい。
このような症状は珍しいものではありません。

身近な症状だからこそ、「そのうち良くなるかもしれない」「年齢のせいかもしれない」と考えて、しばらく様子を見られる方も多いと思います。
もちろん、実際に数日で軽くなる痛みもあります。

ただ一方で、長引いている痛みや、何度も繰り返している痛み、生活に影響が出ている痛みは、少し注意してみた方がよいことがあります。
今の状態を一度整理しておくことで、無理を重ねずにすむことも少なくありません。

まずは受診の判断基準を分かりやすく整理します

「受診した方がいいのか、それとも様子を見てもいいのか」を迷ったときは、次のように考えてみてください。

できるだけ早めに受診を考えたいケース

次のような場合は、早めに整形外科で相談した方がよい状態です。

・痛みが長期間、続いている
・痛みが少しずつ強くなっている
・何度も同じ痛みを繰り返している
・歩く、立つ、座る、階段、着替えなど日常生活に支障がある
・しびれがある
・腫れが強い
・関節が曲がらない、伸びない
・夜中に痛みで目が覚める
・けがのあとから痛みが続いている
・「いつもと違う」「何かおかしい」と感じる

強い痛みだけでなく、長引くこと、徐々に悪化すること、生活に支障があることは大切な判断基準になります。

早めの確認が特に大切なケース

次のような症状がある場合は、様子を見すぎないことが大切です。

・安静にしていても痛みが軽くならない
・足や腕に力が入りにくい
・発熱を伴う
・排尿や排便の異常がある
・体重をかけられないほど痛い
・けがのあとから腫れや強い痛みが続いている

数日様子を見てもよいことがあるケース

一方で、次のような場合は、まず無理をせず様子を見ることもあります。

・痛みが軽い
・使いすぎたあとに一時的に痛くなった
・少しずつ改善している
・日常生活に大きな支障がない
・しびれや強い腫れがない

ただし、様子を見ている間に、

・痛みが長引く
・繰り返す
・強くなる
・動かしにくくなる
・生活で困ることが増える

といった変化があれば、一度受診して状態を確認することが大切です。

整形外科で相談しやすい症状とは

整形外科では、骨、関節、筋肉、靱帯、神経など、身体を動かすうえで大切な部分の不調をみていきます。
そのため、腰痛、膝痛、肩の痛みは、整形外科で相談しやすい代表的な症状です。

たとえば、次のような症状はよくご相談いただきます。

・朝起きると腰が痛い
・長時間座っていると腰がつらい
・立ち上がるときに膝が痛む
・歩くと膝に違和感がある
・階段の上り下りで膝がつらい
・肩が上がりにくい
・洗濯物を干すときに肩が痛い
・服を着る、髪を結ぶ、後ろに手を回す動作がしづらい

また、強い痛みだけが受診のきっかけになるわけではありません。

・以前より動かしにくくなってきた
・同じ場所の痛みを繰り返している
・少しずつ生活の中で不便が増えている
・何となく不安が続いている

このような変化も、相談を考えるきっかけになります。

痛みの部位ごとにみた受診の目安

腰痛で受診を考えたいとき

腰痛は、疲れや姿勢、身体の使い方の影響で起こることも多く、数日で軽くなることもあります。
ただし、次のような場合は一度確認しておくことが大切です。

・腰の痛みが長引いている
・立ち上がる、前かがみ、起き上がりでつらい
・足のしびれを伴う
・足に力が入りにくい
・安静にしても痛みが強い
・以前より悪化している

腰痛はよくある症状ですが、原因はさまざまで、症状に応じて診察や検査が必要になることがあると日本整形外科学会でも案内されています。

参考:日本整形外科学会「腰痛」
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/lumbago.html

膝痛で受診を考えたいとき

膝の痛みは、歩く、立つ、座る、階段を上り下りするなど、毎日の動作に関わるため、生活への影響が出やすい症状です。

次のような場合は、受診を考えたい目安になります。

・歩くと膝が痛い
・階段の上り下りがつらい
・膝が腫れている
・膝が伸びない、曲がらない
・立ち上がるときに強く痛む
・けがのあとから痛みが続いている

変形性膝関節症の患者向け情報でも、膝の痛み、水がたまること、動きの制限、O脚変形などが紹介されており、症状に応じて内服や外用、注射、運動器リハビリテーション、装具、手術などの選択肢が案内されています。

参考:日本整形外科学会「変形性膝関節症」
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/knee_osteoarthritis.html

肩の痛みで受診を考えたいとき

肩の痛みは、「そのうち良くなるかな」と様子を見られやすい症状です。
ただ、長引く場合や、動かしにくさが強くなっている場合は一度確認した方がよいことがあります。

たとえば、

・腕を上げると痛い
・服の着脱や洗髪がしづらい
・後ろに手を回しにくい
・夜中に痛みが気になる
・肩の動く範囲が狭くなっている
・長い間よくならない

肩の患者向け情報では、夜間痛や運動時の痛み、動かしにくさが受診のきっかけになりやすいことや、原因疾患があればその確認が必要と案内されています。

参考:日本整形外科学会「肩こり」
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/stiffed_neck.html

参考:日本整形外科学会「肩腱板断裂」
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/rotator_cuff_tear.html

整形外科ではどのようなことをみるのか

整形外科を受診したときには、まず症状について詳しくお聞きします。

・いつから痛いのか
・どのような動きで痛むのか
・じっとしていても痛いのか
・しびれや腫れはあるか
・けがのきっかけがあるか
・生活の中で何に困っているか

こうしたことを確認しながら、現在の状態を整理していきます。

必要に応じて、身体の動きや痛みの出方を確認したり、検査を考えたりします。
受診するとすぐに大きな治療になるのではないか、と不安に思われる方もいらっしゃいますが、まずは今の状態を知り、どのような対応が合っているのかを考えていくことが基本になります。

治療は薬や注射だけではありません

整形外科というと、湿布や痛み止め、注射などで、その場の痛みをやわらげる治療をイメージされる方も多いかもしれません。
もちろん、つらい痛みを軽くするために、お薬や注射が必要になることはあります。
ただ、治療はそれだけではありません。

大切なのは、今ある痛みを一時的に抑えることだけでなく、なぜその痛みが起こったのかを考えることです。

腰痛・膝痛・肩の痛みの多くは、けがのように急にはっきり原因が出る場合だけでなく、年齢とともに少しずつ筋力や柔軟性が低下し、関節に負担がかかりやすくなる中で、徐々に悪化していくことがあります。
立ち方や座り方、歩き方、身体の使い方のくせが重なり、知らないうちに一部の関節や筋肉へ負担が集まりやすくなっていることも少なくありません。

そのような状態では、痛みが強くない時期でも、少しずつ身体のバランスが崩れ、負担のかかりやすい姿勢や動き方が続いてしまうことがあります。
一見すると普通に生活できているようでも、実際には痛めやすい状態が少しずつ進んでいることもあります。

こうした負担が長く続くと、関節の動きが悪くなったり、痛みをかばう癖が強くなったり、結果として関節の変形につながってしまうことがあります。
変形が進んでからでは改善に時間がかかることもあり、症状が長引くほど回復しにくくなることも少なくありません。

そのため、早い段階で今の状態を知り、その時点で適切な対応をしていくことが大切になります。。

痛みが出たときだけ対処するのではなく、これから先もなるべく痛みを繰り返しにくくするためにどうするかを考えることが、整形外科でとても大切な視点です。

リハビリテーションの役割

腰痛、膝痛、肩の痛みでは、痛みそのものだけでなく、生活の中での困りごとが増えてくることがあります。

たとえば、

・立ち上がりにくい
・歩くと不安がある
・長く歩けない
・腕を上げにくい
・家事や仕事がしづらい
・以前のように動けない

こうした困りごとは、痛みの強さだけでは分からないこともあります。

リハビリテーションは、単にクリニック内でのリハビリだけではありません。
身体の使い方や動かし方、生活の中での負担のかかり方を整理しながら、その方が少しでも動きやすく、悪化せずに過ごせるように考えていく役割があります。

「動かした方がいいのか、休んだ方がいいのか分からない」
「気をつけているつもりでも、なかなか良くならない」
「どのように体を整えばよいのかわからない」
そのようなときにも、今の状態に合った考え方を整理することが大切です。

早い段階で分かることの大切さ

腰痛・膝痛・肩の痛みは、早い段階で状態を確認できると、対応の幅が広がります。
生活の工夫、身体の使い方の見直し、リハビリテーション、お薬など、その方の状態に合わせながら考えられることがいくつもあります。

一方で、我慢を重ねてしまうと、関節や骨への負担が積み重なり、変形が進んでしまったり、動かしにくさが強くなったりして、改善に時間がかかることや手術が必要になることがあります。
もちろん、すべてがそうなるわけではありませんが、「もっと早く相談しておけばよかった」という場面があるのも事実です。

専門的に状態を確認し自身を知ることが、とても大切だと感じています。

まとめ

腰痛・膝痛・肩の痛みは、よくある症状だからこそ、受診のタイミングを迷いやすいと思います。
すぐに受診が必要な場合ばかりではありませんが、長引く痛みや、徐々に悪化している痛み、生活に影響している痛みは、一度状態を確認しておくことが安心につながります。

特に判断に迷ったときは、次の3つを目安にしてみてください。

・痛みが徐々に悪化している
・長期間続いている
・不安な気持ちが強い

このどれかに当てはまる場合は、受診を考えるひとつの目安になります。

早い段階で気づくことができれば、悪化する前に予防することができます。。

整形外科に行こうか悩んでいる方々に、今回の記事が皆様の判断基準の参考になれば幸いです。

Information

診療予約
お問い合わせ

WEBで簡単予約
受付予約はこちらから
0538-36-1177
電話予約はこちらから

※新規の患者さまのご予約について、Web予約で空きがない場合でも、ご案内可能なことがあります。
お手数ですが、その際はお電話にてお問い合わせください。

外来リハ直通電話

0538-36-3686

*外来リハビリを行っている方で外来リハビリに
お問い合わせのある方はこちらからお問い合わせください。